スペイン国における会社形態には、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社などのほか、支店、駐在事務所がありますが、外国企業の進出の場合、株式会社、支店、駐在事務所が一般的です。株式会社と支店とでは商法上の取扱いは異なりますが、税法上ではほぼ同等の取扱いとなります。駐在事務所については、同国商法・税法では特別な定めがないものの、情報収集や市場調査といった非営利活動が前提です。従って、営利行為に準ずる活動を行う場合には、みなし所得に基づく法人税の課税対象となる可能性があるため、注意が必要です。
A.申請に必要な主な書類
1.現地法人の社名が同国内他社と重複していない旨の調査と証明
2.現地法人設立の決定、発起人(1名)、取締役の任命、資本金額、および設立手続き実務を行う同国
内弁護士等への委任などの決定事項が含まれた取締役会議事録(アポスティーユ手続を要す)
3.親会社の登記簿謄本(アポスティーユ手続を要す)
4.国内銀行による資本金払込済証明書
5.設立登記申請書
6.現地法人の定款
7.税務番号取得申請書
8.外国投資届出(外貨持込の通知)
B.提出先
Aの1〜6までの書類は同国公証人の下で認証手続を行った後に、現地法人の所在地管轄の法務局(登記所)へ提出します。7は税務当局へ申請し、8は外国投資登録課へ提出します。
C.申請から登記完了までの期間
申請時期によるが登記完了まで約1〜3ヵ月かかります。ただし登記申請後、税務番号の取得(約2週
間)ができれば、営業活動を開始することができます。
D.最小資本金
株式会社 6万101.21ユーロ
有限会社 3,005.06ユーロ
E.取締役等
株式会社の場合
1.通常複数の取締役を置きます。1人でも可能ですが、株主が1人の場合には「一人会社」とされ、
特別な運営規定があります。
2.取締役が複数の場合、第1回取締役会議でその代表取締役を選出する必要があります。
3.下記条件のうち2つ以上を満たす場合、社外会計監査人を任命しなければなりません。
a年商 474万7,995.62ユーロ超
b総資産 237万3,997.81ユーロ超
c従業員数 50人超
有限会社の場合
1.取締役は、1人以上置く必要があります。
2.各人自身が会社を代表します。
3.下記条件のうち2つ以上を満たす場合、社外会計監査人を任命しなければなりません。
a年商 474万7,995.62ユーロ超
b総資産 237万3,997.81ユーロ超
c従業員数 50人超
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