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公的助成金制度とは
助成金とは、会社や個人事業の積極的な取組みに対し、国や省庁等が行う金銭給付による支援制度をいいます。財源は雇用保険料等です。例えば、「雇入れ」「雇用維持」「教育訓練・職業訓練」等を行ったときに、助成金制度を活用することができます。助成金は給付金ですから、返済の必要はありません。使い道も自由です。ただし、どの助成金にも、厳密な受給要件があり申請すれば誰でも受給できるわけではありません。また、通常、助成金の受給日までには申請から早くても6か月以上(助成金の種類によっては1年以上)かかります。ですから、会社設立時の運転資金として助成金の給付をあてにするのは難しいでしょう。助成金の申請した雇入れ前後に会社都合による従業員の解雇があった場合や、他の助成金の支給を受けたことがある場合には対象助成金が支給されない場合がありますのでご注意ください。

下記に現在有効な公的助成金・奨励金をまとめてあります。なお、助成金額及び助成率は中小企業(大企業を除く)に対する金額を記載しております。

※平成25年2月1日現在の助成金・奨励金制度の情報です。 各都道府県によって申請の時期や順序、添付書類等が異なる場合がありますので、 実際に申請をお考えの場合は直接、申請機関等においても内容を確認してください。
通常時の雇用に対する助成金
■試行雇用奨励金(トライアル雇用)
ハローワークの紹介により45歳未満の者、45歳以上65歳未満の雇用保険の受給資格者等、母子家庭の母、障害者、ホームレスなどの就職が困難な特定の就職者層を原則3ヶ月間の試行雇用として雇い入れた場合に支給されます。

【支給額】1人につき12万円までとなりますが、市町村によりプラス加算がある場合があります。
【要 件】試用期間を定め期間満了後は正社員として契約することが前提となります。
【対象者】45歳未満の者、45歳以上の雇用保険の受給資格者、母子家庭の母、障害者などです。

■特定就職困難者雇用開発助成金
ハローワークの紹介により60歳以上65歳未満の者、母子家庭の母、身体・知的・精神障害者、その他特に就職が困難な者などを継続して雇用する労働者として雇い入れた場合に支給されます。

【支給額】1人につき90万円からですが、パートなどの短時間労働者は60万円からとなります。
【対象者】60歳以上65歳未満の者、母子家庭の母、障害者などです。

■高年齢者雇用開発特別奨励金
ハローワークの紹介により週の所定労働時間が20時間以上の労働者として65歳以上の者(前職を退職した日から3年以内に雇用された者であること)を雇い入れ1年以上継続して雇用する場合支給されます。

【支給額】1人につき90万円からですが、短時間労働者は60万円からとなります。
【対象者】雇入れ日現在の満年齢が65歳以上の者となります。

■派遣労働者雇用安定化特別奨励金 ※平成25年3月31日廃止予定
派遣先である事業主であって同一の業務について6か月を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けたものが、労働者派遣の期間の終了日までの間に、雇用期間の定めのない労働契約等を締結し、雇用保険の被保険者として6ヶ月以上雇用する場合。

【支給額】 100万円ですが、雇用期間に定めのある場合は50万円となります。
【対象者】 派遣労働者です。
【要 件】 派遣先である事業主であって、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について6か月を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けたものである必要があります。

パート等を正社員化する場合の助成金
■均衡待遇・正社員化推進奨励金 ※平成25年3月31日廃止予定
パートタイマーや契約社員に対して就業規則を改定し、正社員に転換する試験制度を導入し、実際に転換者が出た場合に対象労働者10人目まで支給されます。

【支給額】 40万円ですが、2人目以降は20万円となります。
【対象者】 パートタイマーとして6ヶ月以上雇用されて、制度導入日から2年以内に正社員に転換する必要があります。
【要 件】 面接試験・筆記試験・人事評価による選考など公平な選考過程を設け正社員転換時期や転換試験実施時期を明確にし、就業規則を改定し、労働基準監督署へ届け出ることが必要です。

会社を設立し雇用する場合の助成金
■中小企業基盤人材確保助成金 ※平成25年3月31日廃止予定
【支給額】 基盤人材1人につき140万円、5人まで対象となります。
【対象者】 年収350万円以上で業務に対し専門的な知識や技術を有する(資格等)又は部下を指揮管理する係長相当職以上の者である必要があります。
【要 件】 健康・環境分野など特定の業種に限り、会社設立登記日から原則6ヶ月以内に250万円以上の経費支出(内装工事費・机・イス・パソコン代等)を行う必要があります。雇入れ期限は原則として改善計画申請日(法人設立登記日から6ヶ月以内に申請)から1年以内です。

■受給資格者創業支援助成金 ※平成25年3月31日廃止予定
前勤務先における雇用保険加入期間が通算して5年以上ある雇用保険の受給資格者が支給残日数を1日以上残して会社を設立し、1年以内に従業員を雇用する場合に支給されます。

【支給額】 会社設立登記日から3ヶ月以内かかった費用の3分の1となり、上限は200万円です。
【要 件】 代表取締役が会社設立前、ハローワークにおいて失業給付にかかる受給資格の決定を受けた者であり、 前勤務先における雇用保険加入期間が通算して5年以上あることが必要です。

教育訓練(キャリア形成)に対する助成
■キャリア形成促進助成金
①専門的な訓練に対する助成(一般職業訓練)
雇用する労働者に、職務に関連した専門的な知識および技能を習得させることを内容とする職業訓練等を受けさせる事業主に対して助成金を支給します。
【支給額】 訓練に要した経費の3分の1及び訓練の実施時間に対して支払われた賃金の3分の1です。
【要 件】 OFF-JTにより実施される訓練であり、訓練時間が10時間以上である必要があります。

②短時間等労働者への訓練に対する助成)
雇用する短時間又は期間の定めのある労働者に高度な技能およびこれに関する知識を習得させるための職業訓練等または通常の労働者への転換に必要な技能および知識を習得させるための職業訓練等を受けさせる事業主に対して助成金を支給します。
【支給額】 訓練に要した経費の2分の1及び訓練の実施時間に対して支払われた賃金の2分の1です。
【要 件】 OFF-JTにより実施される訓練であり、訓練時間が10時間以上である必要があります。

③OJT付き訓練のうち認定実習併用職業訓練に対する助成
OJT付き訓練のうち、厚生労働大臣の認定を受けた、実習併用職業訓練(実践型人材養成システム)を実施する事業主に対して助成金を支給します。
【支給額】 通常の労働者を対象にした場合は、OFFJTに対する助成は訓練に要した経費の3分の1及び実施時間に対して支払われた賃金の3分の1です。OJTの実施に対する助成は受講者1人につき1時間600円です。 短時間等労働者を対象にした場合は、OFFJJTに対する助成は訓練に要した経費の2分の1及び実施時間に対して支払われた賃金の2分の1です。OJTの実施に対する助成は受講者1人につき1時間600円です。
【要 件】 企業内におけるOJTと教育訓練機関で行われるOFF-JTを組み合わせて実施する訓練であり、実施期間が6カ月以上2年以下であることが必要です。また、総訓練時間が1年当たりの時間数に換算して850時間以上であることも必要です。

その他、OJT付き訓練のうち有期実習型訓練に対する助成や自発的な職業能力開発の支援に対する助成(自発的職業能力開発)があります。
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