法人である場合には、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずるものをいいます。以下同じ。)のうち常勤であるものの1人が次の1から3までのいずれかに該当するものであること。また、個人である場合には、個人事業主又はその支配人のうち1人が次の1から3までのいずれかに該当するものであることが必要です。
- 許可を受けようとする建設業について、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験があること。
- 許可を受けようとする建設業以外の建設業について、7年以上の経営業務の管理責任者としての経験があること。
- 許可を受けようとする建設業について、7年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位で経営業務を補佐した経験があること。
■役員のうち常勤であるものとは
いわゆる常勤役員をいい、原則として本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者が該当します。なお、建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の取引主任者等の他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要する営業体及び場所が同一である場合を除き常勤であるものには該当しません。なお、役員には、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は含まれません。
■支配人とは
営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限を有する使用人をいい、これに該当するか否かは、商業登記の有無を基準として判断します。
■経営業務の管理責任者としての経験とは
営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務ついて総合的に管理した経験をいいます。具体的には、法人の常勤役員、個人の事業主又は支配人、建設業許可のある支店又は営業所の長等の地位にあって経営業務を総合的に執行した経験になります。
■経営業務を補佐した経験とは
法人の場合は役員に次ぐ職制上の地位にあると認められる者として、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務すべてにわたって従事したと認められる経験をいいます。
■執行役員経験と補佐経験の通算
許可を受けようとする建設業の経営業務を補佐した経験と許可を受けようとする建設業の執行役員等の経験が通算して7年以上あれば、建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものとして取り扱います。
■経営業務の管理責任者としての経験と補佐経験の通算
許可を受けようとする建設業の経営業務を補佐した経験と許可を受けようとする建設業又はそれ以外の建設業における経営業務の管理責任者としての経験が通算して7年以上あれば、建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものとして取り扱います。
■経営業務の管理責任者としての経験の通算(その1)
許可を受けようとする建設業以外の建設業に関する7年以上の経営業務の管理責任者としての経験は、単一の業種区分において7年以上の経験を要するものではなく、複数の業種区分にわたるものであっても、建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものとして取り扱います。
■経営業務の管理責任者としての経験の通算(その2)
許可を受けようとする建設業とそれ以外の建設業に関して通算7年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者も建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものとして取り扱います。
■専任の技術者との兼任について
上記1から3までのいずれかに該当する者が専任の技術者としての基準を満たしている場合には、同一の営業所(原則として本社又は本店等)内に限って当該技術者を兼ねることができるものとします。
最後に、経営業務の管理責任者は許可を受けようとする建設業について、上記1から3までのいずれかに該当する者を一つの建設業ごとにそれぞれ個別に置いていることを求めるものではありません。したがって、2以上の建設業について許可を行う場合において、一つの建設業につき1から3までのいずれかに該当する者が、他の建設業についても同時に1から3までのいずれかに該当する者であるときは、当該他の建設業の経営業務の管理責任者にもなることが可能です。